Thursday, March 15, 2012

ブルックリンのクライミングジムで出会った天才少女クライマー

昨年の暮れに、ブルックリンのあるクライミングジムで、大人顔負けの、まるで水が流れるているような、華麗なムーブメントでボルダリングしているアジア系の女の子を見かけた。中年男性が日本語で彼女にベータ①について指示を出していたので、NYCは狭い日本人社会ということもあり、そのコーチらしき男性に声をかけてみた。

女の子は、アシマ・シライシちゃん(11歳)という多くのスポンサーが付くクライマーと聞いて納得したw。アシマちゃんと一緒にいた男性は彼女のお父さん。2020年にオリンピックの候補種目に人工壁によるスポーツクライミングが上げられているようだが、将来の金メダル取得者として日々トレーニングに励んでいるとのこと。クライミングをしている時のアシマちゃんは(会話もしっかりとした口調で話すことも含め)、自信に満ち溢れているせいか、実年齢よりも大人っぽく落ち着いた感じだったが、お父さんにお菓子をねだっている姿を見たときは、やはりその年頃の女の子なんだな、と実感した。

アシマ・シライシちゃん(urbanclimber magazine)
ちなみにリンクは、2012年3月3日、4日米コロラドスプリングで行われた第13回ABS(アメリカンボルダリングシリーズ)ユースチャンピオンシップの模様。アシマちゃんが予戦から全ての課題をオンサイト②、1st Attemptでクリアし、圧勝した。

ベータ①:米国のフリークライミング環境では、「ルートに関するムーブ情報」を指す。
オンサイト②: ルートについての情報を事前に入手せず、他人の登りも見ないで、一回目でルートを完登することをさす

Monday, March 12, 2012

バックグランド調査の重要さ

多くの米国企業は、候補者を採用する前に、過去に犯罪歴や運転歴での問題等がないかチェックするバックグランド調査を行っている。組織や会社内に犯罪者やドラック中毒者等が居ては、企業にとって大きな損失に繋がりかねないのは勿論、従業員の金銭目的によるライアビリティ訴訟を避けるのに、バックグランド調査は必要不可欠である。


バックグランドチェックを怠ったことで多額な損失を被った企業は数え切れないほどある。企業が採用応募者の過去の犯罪歴などを十分にチェックせず雇用し、その従業員が過去と同様の犯罪を犯した場合に企業が責任を問われるネグリジェント・ハイアリング(過失雇用)の訴訟ケースは年々、増加してきている。


最近では、アーカンソー州の従業員社有車を運転中に事故を起こし、その結果、飲酒運転(DWI)により運転免許を過去に2度取り消されていたことが明らかとなり、採用時に適切なバックグランド調査をしなかったとして、ある企業が700万ドルの賠償額を支払ったケースや、強盗や不法侵入の犯罪歴があり、つい最近まで受刑者であったノースカロライナ州の男性社員が同僚の社員を殺害したことで、男性を雇った会社が現在、過失雇用として責任を追及されている。
   
上記の事例のように、アルコール中毒者や犯罪の常習犯とは知らずに雇用して、問題が生じてから判ったというケースはあとを絶えない。実際、シャーロット地域(NC州)では、500人以上の従業員がいる9割の企業がバックランド調査を行っている一方、従業員、20人以下の企業の約20%のみがバックグランドチェックを行っているらしい。またアメリカデータバンク社の統計によれば、雇用時バックグランド調査を行なっていなかった企業の70%以上が敗訴しているとのこと。


過去の犯罪歴調査、雇用歴、ソーシャルセキュリティー(SSN)の調査は雇用過失訴訟を回避する上で、企業が最低限として行なうべきであろう。上記の事例のような社有車を運転する仕事には運転歴調査を、また現金を扱う業務にはクレジットレポート調査等といった業種別や職務内容に沿った調査を含めることも人事関連の専門家は勧めている。


ちょっとした怠慢行為が大きな問題へと導くことは、よく有り得る。手間やお金が仮に掛かるとしても、自らを守るという意味で、採用時での適切なバックグランドチェックは忘れずに行なうべきであろう。

Friday, February 10, 2012

R.I.P Sarah Burke

先月、練習中に転倒して危篤状態となり、脳への酸素不足により死亡したフリースタイルスキーの女子ハーフパイプ(HP)の第一人者でカナダ出身のサラ・バーク選手(29)の事故はエクストリームスポーツ界に衝撃を与えたことは記憶にあたらしい。しかしさらに衝撃だったのは、この業界のアイコン的存在といわれた彼女の医療費のカバーは、実は世界各国にいる彼女のファンやサポーターの寄付によるものであったということだ。 

危篤ということだったので、高額な治療を続けていただろうと予測すると、故パーク選手の家族が支払わなければならない医療費は大変なものだった。そこで彼女の家族を金銭面で支えようと始めた募金活動、こうした地道な努力により、医療費の問題は解決できたということだ。


故パーク選手の第一スポンサー、モンスター・エナジードリンクが主催したイベント中に起きた事故であったということがまず一点、またスポンサーがたくさん付いている彼女みたいな有名で有能な選手であったにもかかわらず、何故彼らから医療費がカバーされなかったのか、素朴な疑問が浮かぶ。

常に危険と隣り合わせであるこの業界の個人コントラクター(選手)たちに対し、保険を提供しないスポンサーは多い。その代わり、「事故が発生しても主催者の責任は一切追及せず、自分の責任において処理することを誓約します」と言った主旨の免責同意書を彼らに渡すのが、この世界での常識。ちなみに米国では、UFCなどといった異種格闘技系の選手の殆どが医療保険に入っていない。そういえば山やクライミングジムで登るときは免責同意書を当たり前のように書いていたけど・・・。

014年ソチ冬季オリンピックでは、スキーのHP種目の正式採用が昨年11月に決定されたばかり。さすがにメダル獲得が期待されていた選手だけに スポンサーも放っておけない。実際、故パーク選手は500万ドルの医療保障の適用が承認されるようモンスターとも契約を結んでいたとのこと。

それでは何故、補償されなかったのか?

実は事故現場がユタ州、米国であったため、カナダ国籍である彼女の保険は海外では融通がきかなかった。もし事故がカナダで起っていたのであれば、スポンサーから医療費が問題なくカバーされていたであろう。またカナダのスキー連盟 も保険があり、競技中(練習も含め)の事故なら医療費は出るらしい。 

彼女自身、海外保険も適用できるよう、もっと慎重にスポンサーと契約を結ぶべきであったとある関係者はメディアで語っていたが、確かにその通りと納得する一方で、スポンサー側による説明不十分+あいまいなやり取りがなんとなく頭に浮かぶ。
  
こういうこと言うのもなんだけど、好きなことをして死ねて良いかも知れないけど(本人には申し訳ないけど)、残された家族や親族に迷惑を掛けてしまうと思うと色々と悩まされるw。

Rest In Peace, Sarah

Xゲームで4大会連続で金メダルを獲得した故サラ・バーク選手 (Canadian Press)

Thursday, January 26, 2012

強制的仲裁条項(Mandatory Arbitration)

我々、一般消費者が企業を訴えようとする場合、ある程度、資金に余裕が無ければ、訴訟費用と時間の負担が割に合わなくなり、提訴する意味がなくなって、事実上、代償が取れなくなるといった問題が生じる。

そこでこうした問題の解決策として、一個人が、同じような立場にある多数の人々を代表して訴訟提起し、請求を集団的に効率よく行うことができる制度、クラスアクションを起こすことで司法救済を受け取ることができる。

しかしクラスアクションは、しばしば請求総額が莫大なものとなり、企業にとって敗訴した場合の負担する金額があまりに過大となるため、提訴リスクを低減させるための試みの一つとして、クラスアクション放棄条項を含む仲裁条項が企業の売買契約書や雇用契約書等に記載されている。

こういった条項のなかでも、従業員が企業に対して訴訟を起こすことを禁じ、調停に持ち込むことを義務づける、強制的仲裁条項(Mandatory Arbitration)は、消費者や従業員に対し、もの凄くたちが悪い。

今までMandatory Arbitrationによって人生をめちゃくちゃにされた人達は数え切れないほどいる。中でも2007年に元女性従業員が、イラクで同僚らから集団レイプに遭ったことを連邦議会で証言、会社が隠蔽工作をしたとハリバートンとKBR社を訴えていたケースは大きな話題を呼んだ。

KBR社の元従業員、ジェイミー・リー・ジョーンズ氏がバグダッドに赴任したわずか4日目の夜、同僚の男性従業員達に薬を盛られ、レイプされた。彼女が受けた暴力行為は、後に再建手術が必要になったほど酷いものであった。

おまけにジョーンズ氏の身体から採取された体液のDNA型鑑定の結果などといった物的証拠が、会社側のセキュリティーによって紛失してしまう。そのため刑事事件として持ち込むことが不可能となった彼女は、民事訴訟によって会社側を訴えようとするが、以前に署名した雇用契約書の一部として記されMandatory Arbitrationのせいで、実現することができなかった。

調停の選択を選べば、全てがなかったことにされると確信したジョーンズ氏は、メディアを通じて訴え続けた。結果、2009年に仲裁及び調停における修正案が米国議会で可決され、この事件をようやく法廷へ持ち込むことができた。

しかし2011年7月、大陪審おける審理の結果、被告である元KBR社のコントラクターのレイプ罪は同意の上でのものだということで無罪となり、彼女のケースは法廷で無念にも敗退した(企業の圧力が相当強かったのではないかと十分考えられるが?)。


悲しいことに企業や政府によるこのような不平等性増している条項やSneakyなスキーム等まだまだいくらでも存在する。被害を被らないよう、しっかりアンテナを広げ、自らの身は自らで守れるよう常に心掛けるべきである。

遺伝子組み換え食品

米国では、遺伝子組み換え食品(GMO)は他と区別するようなラベルが表記されていない。

遺伝子組み換えの食物を使って多数の実験を行った結果、 不妊症、免疫不全、老化促進、肝臓、腎臓、脾臓、胃腸器官におけるさまざま分泌不全等、その毒性影響が認められ、米環境医学会(AAEM)は、GMOは健康に悪影響を及ぼすため、 即座に出荷を停止することを過去に求めたことがあった。

しかしこのAAEMの発表を、主流メディアは完全に黙殺したのだ。一般国民がこの危険性を知り、政府に規制を求めれば、それは遺伝子組み換えを推進するバイオテクノロジーの巨大企業に大きな打撃となるといわれている。

GMOがどうであろうが気にしない人は別として、このフランケンシュタイン食品に違和感を感じたり、どうしても受け入れられない人のために、ちょっとした簡単な見分け方法があるが何処まであてになるかは?

取り合えず見分け方は、

化学肥料で栽培されたコンベンショナル食物の場合、PLU(プライス・ルック・アップ)コードと呼ばれる商品コードは4桁の数字で構成されている。オーガニック系のPLUは、最初の数字が9で始まり、5桁のコードで構成。GMOの場合は、8で始まり、コードは5桁、しかし8が表示されたものはめったに見かけないのが現実(GMOのイメージが悪いため、5桁のコードではなく4桁で出している業者が多い)。後は材料、原料や素材等が書かれているングリディエントを頼りにするしかない。www.NonGMOShoppingGuide.comを参考するのも良いかも。

コンベンショナル農法によるバナナ:4237
有機栽培による洋ナシ:94011
GMO:?
 
現在、米国内のすべての加工食品の8割以上が遺伝子組み換えされているといわれているらしい・・・(^^;)

Wednesday, January 18, 2012

Breakneck Ridge Trail Hiking

先週末は、Breakneck Ridge Trailという場所でドイツ人の知人たちとハイキング。その日の気温は20前後(-6℃)であったが、晴れていたのでハイキング・コンディションとしてそこまで悪くはなかった。

マンハッタンから北へ車で一時間半くらい、ハドソン河に面した古い町、Cold Spring近辺にあるこの場所、絶景+ちょっとしたスリルが楽しめるハイキングコース。トレイルコースの入り口は無料パーキングの隣にあり、そこから歩き始めてから5分ほどして、急な傾斜に対面する。この先から山の頂上までは、ほぼ全コースがこのような岩場であるため、ある意味登山をしているような感覚かな。



白ペンキ○印に沿って登り進むこと30分、最初の絶景地点、標高244mに到着。スタート地点を写そうとしたが、高所恐怖症なため、 しっかり写真に収めるが出来なかった。

ちなみにここまでが、このトレイルで最も厳しいコースらしい。次の山の頂上を目当てに、このまま白ペンキ○印に沿って険しいコースを引き続き進むことは出来るが、上に上がれば上がるほど地面は凍りついていたため諦めた。

左側の岩の上がこのトレイルコースの頂上、標高375m。

かわりに、黄ペンキ○印に沿って緩やかな傾斜でこの山を横切って、次の到着ポイントを目指そうとしたが、突然、ズターッと大きな音がした。なんとツララの一部が溶け始めていたのだ。これはやばッと思い、頂上を目指すことを断念した。

下降して20分ぐらいして、ようやくハイキングらしい道に辿り着いた。この周辺の景色や空気は最高。

休憩も入れて約4時間、4km弱の短距離コース(11kmの長距離コースもある)、日帰りで楽しめるハイキングとしてのお勧め度はA+。

Tuesday, January 17, 2012

世界で一番高価な食べ物

トリュフは、キャビア、フォアグラと並ぶ世界三大珍味のひとつ。「黒いダイアモンド」とも称される大地からの贈り物。

イタリアには、この黒いダイアモンドの3倍以上の値段で売られている希少価値の高い白トリュフがある。フランス産白トリュフの相場は454グラムあたりが3600ドル(約28万)ぐらいだとのこと。

アルバで毎年開催される白トリュフのオークションでは、一時期、900グラムのトリュフが33万ドル(約2600万円)落札されたこともあったが、昨年は不況の影響か、1253グラムの巨大トリュフが9万8千ドル(約760万円)のバーゲン価格で落札された(写真下)。

トリュフは松や樫の木の根に共生する珍しいキノコで、気温や土質など繊細な条件が整わないと成長しないため、土の中から人間が見つけるのは至難の業で、地中に埋まったトリュフの香りを頼りに、特別に訓練された犬に探させるという地道な作業。おまけに自然産出量が世界で約20~30トンと言われていることに対して、需要が約500トンといわれているので、希少価値が上がるのも無理もない。

こんな高価で貴重なキノコに、金儲けの手段として犯罪者や詐欺師らがほっとくわけない。フランスやイタリアではマフィアが仕切っているトリュフの闇相場は日常茶飯事、また貴重品やお金等ではなく、トリュフやトリュフ犬が盗まれるという事件がここ最近、急増しているとのこと。

さらに中国産の黒トリュフが欧州市場に進出し、浸食し始めているため、生産者たちの間には怒りが広がり、生産者協会が欧州連合(EU)に自分たちの「国宝」を守るための原産地証明を行うよう求めている。

中国産のトリュフは、トリュフ犬は一切使用せず、代わりに人間が収穫するため香りも味も殆どなく、欧州産トリュフに比べ質もぐーんと落ちる。ちなみに中国産は454グラムあたり20ドル(約1500円)が欧州での相場といわれている。

フランスから米国へ輸出される冬トリュフ、「冬トリュフ フランスで生産」とラベルに記載されているが、缶詰の裏側に付く小さなラベルにはラテン語で中国産と書かれている間際らしいものも中には存在する。

そういえばマンハッタンのある高級フレンチレストランで食べた少量の黒トリュフが掛かったSLOW BAKED DOVER SOLE、正直、トリュフにはあまり味がしなかったけど、もしかしたら中国産・・・?