Friday, February 10, 2012

R.I.P Sarah Burke

先月、練習中に転倒して危篤状態となり、脳への酸素不足により死亡したフリースタイルスキーの女子ハーフパイプ(HP)の第一人者でカナダ出身のサラ・バーク選手(29)の事故はエクストリームスポーツ界に衝撃を与えたことは記憶にあたらしい。しかしさらに衝撃だったのは、この業界のアイコン的存在といわれた彼女の医療費のカバーは、実は世界各国にいる彼女のファンやサポーターの寄付によるものであったということだ。 

危篤ということだったので、高額な治療を続けていただろうと予測すると、故パーク選手の家族が支払わなければならない医療費は大変なものだった。そこで彼女の家族を金銭面で支えようと始めた募金活動、こうした地道な努力により、医療費の問題は解決できたということだ。


故パーク選手の第一スポンサー、モンスター・エナジードリンクが主催したイベント中に起きた事故であったということがまず一点、またスポンサーがたくさん付いている彼女みたいな有名で有能な選手であったにもかかわらず、何故彼らから医療費がカバーされなかったのか、素朴な疑問が浮かぶ。

常に危険と隣り合わせであるこの業界の個人コントラクター(選手)たちに対し、保険を提供しないスポンサーは多い。その代わり、「事故が発生しても主催者の責任は一切追及せず、自分の責任において処理することを誓約します」と言った主旨の免責同意書を彼らに渡すのが、この世界での常識。ちなみに米国では、UFCなどといった異種格闘技系の選手の殆どが医療保険に入っていない。そういえば山やクライミングジムで登るときは免責同意書を当たり前のように書いていたけど・・・。

014年ソチ冬季オリンピックでは、スキーのHP種目の正式採用が昨年11月に決定されたばかり。さすがにメダル獲得が期待されていた選手だけに スポンサーも放っておけない。実際、故パーク選手は500万ドルの医療保障の適用が承認されるようモンスターとも契約を結んでいたとのこと。

それでは何故、補償されなかったのか?

実は事故現場がユタ州、米国であったため、カナダ国籍である彼女の保険は海外では融通がきかなかった。もし事故がカナダで起っていたのであれば、スポンサーから医療費が問題なくカバーされていたであろう。またカナダのスキー連盟 も保険があり、競技中(練習も含め)の事故なら医療費は出るらしい。 

彼女自身、海外保険も適用できるよう、もっと慎重にスポンサーと契約を結ぶべきであったとある関係者はメディアで語っていたが、確かにその通りと納得する一方で、スポンサー側による説明不十分+あいまいなやり取りがなんとなく頭に浮かぶ。
  
こういうこと言うのもなんだけど、好きなことをして死ねて良いかも知れないけど(本人には申し訳ないけど)、残された家族や親族に迷惑を掛けてしまうと思うと色々と悩まされるw。

Rest In Peace, Sarah

Xゲームで4大会連続で金メダルを獲得した故サラ・バーク選手 (Canadian Press)