Monday, December 19, 2011

Chasing Madoff

不正行為は簡単に見破ぶることが可能、不正検出はある意味モグラ叩き("Whack-a-mole")のようなものだとハリー・マルコポロス氏はある記事で語る。誰かが優れたパフォーマンスをしている時は、ウォール街は何時でもその人物を天才だと扱う傾向にある。しかし天才的な能力が実証されない限り、全てが詐欺であると考えるほうが合理的ではないかと彼は強調する。

ヘッジファンドを使ったねずみ講詐欺の主犯として有罪となったバーナード・マドフのファンドパフォーマンスは、当時のベンチマークであった株価指数よりも約7倍は上回ったと謳っていた。また彼のパフォーマンスラインは45度以上の上昇を示していたが、ファイナンスの世界ではそんな奇跡的な動きは存在しない。仮にそのような動きを目撃したとしても、それは単なるバブルの最中であり、ひどい終日を迎えているか、もしくは不正が存在していると考えるほうがむしろ自然であるとマルコポロス氏は語っている。

ネットにより情報が盛んな現状では、マドフ受刑者のような詐欺師を簡単に見極めることができる。まずアウトパフォームされたものが市場に存在すれば、そのファンドによるマネー・マネージャーの履歴や過去の実績は勿論、ファンドと同じ資産価値のあるベンチマーカーの動きなどをBarronsやFinancial Timesといったファイナンス雑誌や新聞、またhttp://www.opalesque.comやwww.hedgefundnews.comなどといった専門のサイトで徹底的に調査することができる。またターゲット人物の逮捕歴や民事訴訟の記録等は基本的に裁判所のウェブサイトに残っているため、サイトにアクセスしバックグラウンド検索が可能。元従業員たちのブログや企業向けのクレームが集められたサイトからも何かの形でヒントは得れる。

「マネージャーがファンドの戦略を説明し、例えそれを理解することができなくても自らが愚かだと仮定してはいけない。本当にトリックを理解しているのであれば、自分たちの戦略を我々が理解できる言葉で説明することは可能なはずだ。それらができなければ真っ先に怪しいと仮定するほうが利口」とマルコポロス氏は記事の最後に語っていた。

そんなマドフ受刑者を10年にわたり捜査して逮捕を実現させたマルコポロス氏率いるチームを追ったドキュメンタリー映画の予告編はこちら

おかしなことがあれば調査を怠ってはいけないということであるが、それを実行することがなかなかできないのも事実である。被害者に話を聞くと、大抵、誰もが「まさか自分がこんな目に遭うとは思ってもいなかった」という。そして自分が被害に遭ったという事実にショックを受けている。 被害に遭ってからでは遅い。このような詐欺や不正の現実を知ろうとせず、我が身にも起こりうると思わずに何も警戒せずにいるのであれば、老若男女問わず、誰もが次の被害者 になる可能性が高いということだけは自覚しておくべきであろう。

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